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就活の早期化「深刻」 26卒始動 就活ルール形骸化

2026年春卒業予定(26卒)の学生の就職活動が早くも始まっている。インターンシップ(就業体験)などが行われる中で、学生からは長期化・早期化が進んでいると指摘する声も聞かれる。学生の就職活動の現状とは。

■長期化・早期化

就活の長期化が進む傾向がみられることが、内閣府の「学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査」で明らかになっている。

調査は23年7月中旬~8月中旬にかけて、24年春に卒業予定の大学4回生・大学院2回生(いずれも当時)を対象に実施。4965人から回答を得た。

調査によると、就活に要する期間は9か月程度以上が最も高く、全体の約4割を占めた。近年は毎年増加しており、19年度調査からは約21%増えた。長期化の傾向は顕著だ。

早期化も進んでいる。採用面接のピークは23年4月が最も多く約3割となった。最初に内々定を受けた時期は、23年4月が約2割で最多。就職予定の企業の内々定を受けた時期は、23年6月が約3割で最多だった。

政府が、各経済団体に順守を要請する就職・採用活動日程ルール(就活ルール)では、選考解禁は卒業年度の6月1日以降。だが、選考解禁前に内々定を出している企業も少なくない。

新型コロナウイルス禍からの景気回復に伴い人手不足が顕在化。学生優位の「売り手市場」で人材獲得競争が過熱する中、企業が青田買いを図り、就活ルールが形骸化しているのが実態だ。

■背景にインターン

就活長期化の原因は、インターンあるとみられている。

調査によると、インターンの参加割合は約8割に上る。複数回参加の割合は7割弱と、過去5年の調査で最も高い。参加時期は、3回生の夏休みに当たる7~9月が約6割と最多。10~12月は約5割、1~3月は約4割と、いずれも高い水準だ。

近年、就活におけるインターンの重要度が高まっている。経済産業省・文部科学省・厚生労働省は22年6月、「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」(三省合意)を改正。企業は、基準を満たしたインターンで得た学生の情報を、採用選考に活用できるようになった。

三省合意によると、インターンは本来、キャリア形成支援のための取り組みだ。しかし、調査によると、採用のための実質的な選考を行う活動を含むインターンは、全体の約5割。参加後に「早期選考の案内」を受けたものは約7割に上った。いずれも年々その割合が増加し続けており、採用活動を意識する傾向がうかがえる。

インターンに参加して感じた効果について、「業界・業種を理解することができた」学生は9割以上に上った。メリットは大きいが、「学業」や「部活動・サークル活動」に支障が生じたというデメリットを感じている学生もいる。

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