飲酒は20歳になってから――。「20歳未満飲酒防止強調月間」となる4月、20歳未満の飲酒防止に関する意識の高揚を図るため、全国各所で広報啓発活動が行われる。しかし積極的な呼び掛けもむなしく、20歳未満の飲酒が後を絶たない。20歳未満の飲酒問題の実態とは。また、適切な酒との付き合い方とは。
■20歳未満の飲酒問題、根深く
「酒は中学生の頃から飲んでいる」。そう打ち明けたのは、本学文学部1回生(取材当時)の学生(19)。自身の興味から家で飲み始め、今では部屋で友人とチューハイを飲んでいるという。飲酒を認めているという学生の母親は「自分が飲める量を理解せず、よそで迷惑を掛けるようでは情けないし困る。家で練習するくらいなら」と本音を語る。
20歳未満の飲酒は法律で禁止されている。飲酒や飲酒目的の酒類所持は、警察による補導の対象だ。しかし、20歳未満の飲酒が横行している現状がある。京都府警少年課によると、昨年京都府内で飲酒により補導された不良行為少年は1240人。うち811人が大学生で全体の65%を占めている。
同課次席の安田正樹警視は、飲酒で補導される大学生について、7~9月の夜間、鴨川沿いなど木屋町(京都市)周辺の繁華街で補導される事例が多く、コンビニや公園などでも多く補導されていると説明。単独ではなくグループで補導されることが多いといい、安田警視は、自身の経験として「4~5月の新入生歓迎期に多い印象がある」と話す。
府警では、飲酒している20歳未満の少年を確認した場合「不良行為少年」として扱い、同じことを繰り返さないよう注意するほか、保護者に知らせ監護や指導を促すこととしている。
このほか府警では、20歳未満の飲酒を防止するため「有害環境浄化」活動を実施。啓発活動の実施▽夜間パトロール▽薬物乱用防止教室の開催――など、自ら飲酒することがないよう教育したり、酒類の販売について指導したりする活動を行っている。
また、小中学校や高校で実施する薬物乱用防止教室では飲酒についても説明しており、府警は2022年度、同教室を府内で約2千回実施し延べ10万9千人以上に説明してきた。
しかし、20歳未満の飲酒は後を絶たない現状がある。府警は、関係機関と協力しながら、啓発活動などの有害環境浄化や不良行為少年の補導活動などを、引き続き推進していくとしている。安田警視は「法律をしっかり守った生活をしてほしい」と強く訴えかけた。